ストックホルムの旧市街であるガムラ・スタンは、ヨーロッパで最も保存状態の良い中世の市街地のひとつであり、スウェーデンの首都の歴史と文化の中心地となっている。 狭い石畳の通り、魅力的な広場、そして何世紀も前のカラフルな建物が並ぶこの地区は、ストックホルムを訪れる人なら誰でも必見の場所である。歴史ファン、建築愛好家、あるいは雰囲気のある散策を楽しみたい方など、どなたにとっても、ガムラ・スタンはストックホルムの過去を垣間見るユニークな体験となることだろう。
ガムラ・スタンの歴史
1252年に創設されたガムラ・スタンは、ストックホルムの始まりの地である。メーラレン湖とバルト海に挟まれた島々の戦略的位置を拠点に都市が成長し、貿易と防衛の要所となった。何世紀もの間、ガムラ・スタンはスウェーデンの政治と経済の中心地であり、この地区の建物や通りの多くは中世にまで遡る。現在、この地区は人気の観光地であると同時に、住民や店舗、カフェ、レストランが生活する活気のある街の一部でもある。
ガムラ・スタンの主な見どころ
1. 王宮(Kungliga Slottet)
ガムラ・スタンで最も象徴的なランドマークのひとつが王宮である。バロック様式の壮大な建物で、スウェーデン国王の公邸となっている。ヨーロッパ最大級の宮殿で、600室以上ある。訪問者はいくつかのステート・アパートメント(国事に関する公式行事を行う部屋)や、スウェーデンの王冠の宝石を収蔵する宝物館を見学することができる。毎日行われる衛兵交代式は見逃せない。この伝統は宮殿の威厳ある雰囲気をさらに高めている。
2. ストックホルム大教会
王宮から歩いてすぐの場所にあるのが、ストックホルムの中世の大聖堂であるストックホルム大教会(Storkyrkan)である。正式名称はストックホルム大聖堂(Stockholm Cathedral)で、スウェーデンの王室の結婚式や戴冠式など、スウェーデンの歴史における数々の重要なイベントの舞台となってきた。この大聖堂には、オーク材で彫られた1489年作の有名な「聖ゲオルギウスとドラゴン」の像をはじめ、いくつかの注目すべき芸術作品が収められている。ゴシック様式の内装は壮麗かつ穏やかな雰囲気で、賑やかな旧市街の真ん中で静かに思索にふけるひとときを提供してくれる。
3. ストルトルゲット広場
ガムラ・スタン(Gamla Stan)の中心に位置するストルトルゲット広場(Stortorget)は、ストックホルムで最も古い広場である。美しいパステルカラーのタウンハウスに囲まれたこの広場は、何世紀にもわたって街の生活の中心地であった。ストルトルゲット広場は、1520年にデンマーク王クリスチャン2世がスウェーデンの貴族を処刑し、国を支配しようとした「ストックホルム大虐殺」で最も有名である。現在、この広場は人気の待ち合わせ場所となっており、屋外カフェやショップが立ち並んでいる。冬のホリデーシーズンには、ストートリエット広場で伝統的なクリスマスマーケットが開催され、来訪者は手作りの工芸品を眺めたり、ジンジャーブレッドなどのスウェーデンのスイーツを試食したりすることができる。
4. ノーベル賞博物館
世界で最も権威のある賞に興味のある方には、ノーベル賞博物館がノーベル賞と受賞者の歴史を魅力的に紹介している。この博物館は、ストルトルゲット広場からすぐの旧証券取引所ビルに位置している。 インタラクティブな展示を通して、文学、科学、平和などの分野におけるノーベル賞受賞者の素晴らしい功績について学ぶことができる。 期間限定の特別展示は、博物館の常設展示に深みと多様性を加え、技術革新や世界の進歩に興味のある人にとって、素晴らしい訪問先となっている。
5. モルテン・トロツィグ通り
旧市街は曲がりくねった狭い路地で知られているが、その中でも最も狭いのがMårten Trotzigs Grändである。最も狭い部分の幅はわずか90センチ(約35インチ)で、この路地では一風変わった写真撮影のチャンスがあり、迷路のような中世のストックホルムの街並みを体験できる。16世紀の商人から名付けられたこの路地は、小さな絵になるような通りが並ぶこのエリアの隠れた名所である。
ウォーキングツアーと隠れた一角
ガムラ・スタンを体験する最も良い方法のひとつは、迷路のような通りをただ歩くことだ。 中世の伝説からスウェーデンの王族にまつわる話まで、この地域の歴史を掘り下げるガイド付きウォーキングツアーもある。 あるいは、ごく普通の入り口の奥にひっそりと隠れている中庭や古い井戸、職人工房などを発見しながら、自分だけで散策するのも良いだろう。
散策の際には、スウェーデンで最も小さな公共の彫像のひとつである「Järnpojke(鉄の少年)」をお見逃しなく。フィンランド教会の近くにあるこの小さな彫像は、ベンチに腰掛けた少年の像で、地元の人々に愛されている。特に冬の間は、暖かく過ごせるようにとマフラーや帽子が置かれることが多い。
旧市街での食事とショッピング
旧市街には伝統的なスウェーデンのレストランや居心地の良いカフェ、魅力的なブティックが軒を連ねている。お土産から高品質のスウェーデン工芸品まで、あらゆるものが手に入る。特に人気のあるお店では、手作りのガラス製品やジュエリー、織物などが販売されている。食事には、サリーや、スウェーデンの詩人カール・ミカエル・ベルマンが食事をしたこともある世界最古のレストランのひとつであるデン・ギルデ・フレデンを試してみてはいかがだろう。
趣のあるカフェのひとつで、シナモンロールやペストリーを添えたコーヒーを楽しむスウェーデンの伝統的なティータイム「フィーカ」をぜひお試しください。カフェ・シュバイツァーは居心地の良い雰囲気と美味しいサンドイッチで人気です。夏の間は、ガムラ・スタンのレストランの多くが屋外席を用意しており、ゆったりとくつろぎながら行き交う人々を眺めることができます。
フェスティバルとイベント
一年を通じて、ガムラ・スタンではさまざまなイベントやフェスティバルが開催される。ストートリエット広場(Stortorget)のクリスマスマーケットは、おそらく最も有名で、そのお祭りムードと伝統的なスウェーデンの工芸品や食べ物で世界中から観光客を集めている。夏には大道芸人が通りを賑やかにし、いくつかの歴史再現劇が行われ、ストックホルムの過去を垣間見ることができる。
ガムラ・スタンへの行き方
ガムラ・スタンは中心部に位置しており、ストックホルムの多くの地域から徒歩で簡単にアクセスできる。ガムラ・スタン地下鉄駅は旧市街の中心部に位置しており、他の地下鉄路線ともつながっている。中央駅からはガムラ・スタンの中心部まで徒歩約10分である。
最後に
ガムラ・スタンは単なる観光地ではなく、歴史と現代生活が共存するストックホルムの息づく生活の一部である。王宮や教会から狭い路地や活気あふれる広場まで、ガムラ・スタンはまるでタイムスリップしたような気分を味わえる場所であり、スウェーデンの首都を訪れる人にとって欠かせない体験となるだろう。
免責事項:訪問を計画する前に、ガムラ・スタンの営業時間、ガイドツアー、季節ごとのイベントについて調べておくと、旅行を最大限に楽しむことができる。